竹ヶ島(海陽町)

 竹ヶ島は、徳島県の最南端に位置し、過去から伊勢エビ漁やまぐろ延縄漁などの漁業が盛んな島として繁栄してきました。また、昭和後半から平成初期にかけて、隣接する竹ヶ島海域公園(室戸阿南海岸国定公園)のサンゴ群生を活用した観光開発が進められて、平成7年には海洋自然博物館マリンジャムが建設され、海中観光船ブルーマリンやシーカヤック・シュノーケリングなどの拠点観光施設として人気のスポットとなっています。
 竹ヶ島海域公園は、エダミドリイシの大群生やシコロサンゴが点在して生育する海域として、その固有性・貴重性から1972年に海中公園として指定されました。このエダミドリイシは海水温や周辺環境の変化により影響を受けやすく、環境のバロメーターと言われています。

~ここがサスティナブル!!~

 1980年代において、海水の低水温によりエダミドリイシは危機的な状況になりました。この時、地元宍喰漁協の青年達がサンゴ移植を始めました。後にこの活動は竹ヶ島海域公園自然再生事業として進化し、自然再生推進法に基づく協議会を発足することになります。事業の一環で、地元宍喰小学校では環境学習としてサンゴ移植体験が定着しています。
 また、エダミドリイシの生態を研究し続け、産卵日の特定に成功し、卵の採取に成功しました。以前は、折れたサンゴを採取し移植する無性生殖でしたが、最近では陸上の水槽で卵から育ったサンゴを海に移植する有性生殖へと発展しています。今後は、陸上で産まれた卵から育った世代のサンゴを海に移植することが可能になると思われます。
 このサンゴ保護活動を継続するためには資金が必要となりますので、今後はサンゴ移植体験を本格的に観光活用すること検討しています。